株式会社神戸物産は2026年9月29日、ユーロ円建てのゼロクーポン転換社債型新株予約権付社債(CB)を600億円発行すると発表した。同時に、上限400億円・1600万株の自己株式取得も決議しており、資金調達と株主還元を組み合わせた資本政策となる。CBの払込期日は10月15日、償還期日は2033年9月30日の7年債で、クーポンは0.0%に設定されている。
調達した資金の使途は、株式会社グルメ杵屋との合弁会社「MEAL HUB」を通じたLSGグループAPAC(アジア太平洋・北米で機内食事業などを展開する15社)の買収資金に約300億円、自己株式取得に約400億円(CB調達分約300億円+手元資金約100億円)を充てる計画。自己株式取得は発行決議日の翌日にToSTNeT-3による買付けを予定し、規模としては同社過去最大となる。
背景には「業務スーパー」を軸に外食・中食へ業容を広げる「食の総合企業」戦略があり、LSG APAC買収は機内食という新領域への進出と、業務スーパー・外食事業の海外展開の足掛かりと位置づけられる。CBはゼロクーポンで利払い負担を抑えつつ、転換制限条項や取得条項を付与することで株式への転換可能性を抑え、希薄化を抑制する設計とした。
CB発行に伴う海外投資家のヘッジ売りは自己株式取得で吸収し、株式需給への短期的な影響緩和を図る。自己株式取得期間は2027年4月30日までで、進捗次第で継続実施も想定している。